神奈川の内申点とは
内申点とは、学校の通知表の評定(5段階)を数値化したものだ。神奈川県の公立高校入試では、入試当日の学力検査の点数と合わせて合否判定に使われる。
他の都道府県と大きく異なるのは、中学1年生の成績が一切使われないという点。神奈川では中学2年生と中学3年生の成績だけが内申点の対象になっている。つまり「中1の成績が悪かった」という場合でも、中2・中3でしっかり取り組めば挽回できる仕組みになっている。
神奈川の内申点の基本
- 対象学年:中学2年生・中学3年生のみ(中1は不使用)
- 対象教科:9教科(国語・数学・社会・理科・英語・音楽・美術・保健体育・技術家庭)
- 評定:各教科5段階(1〜5)
- 満点:135点満点
内申点の計算方法(135点満点)
神奈川の内申点は次の式で計算される。
内申点の計算式
(中2の9教科評定合計)×1 + (中3の9教科評定合計)×2 = 内申点(135点満点)
中2の成績は1倍、中3の成績は2倍で計算されるため、中3の1点は中2の1点より2倍重い。オール5の場合で確認してみよう。
| 評定 | 中2(×1) | 中3(×2) | 合計(内申点) |
|---|---|---|---|
| オール5 | 45点 | 90点 | 135点 |
| オール4 | 36点 | 72点 | 108点 |
| オール3 | 27点 | 54点 | 81点 |
| オール2 | 18点 | 36点 | 54点 |
例えば中2がオール4(36点)、中3がオール4(72点)であれば内申点は108点。同じオール4でも中3の2倍計算が効いていることがよくわかる。
対象学年・教科・時期
いつの成績が使われるか
内申点に使われるのは、次のタイミングの成績だ。
中学2年生
学年末(年間を通じた最終評定)の9教科の成績。前期・後期ともに含む。
中学3年生
2学期末(3学期制)または後期中間(2学期制)までの成績。12月ごろに確定する。
中3の成績は12月までが対象なので、3年生の2学期(後期中間)まで気を抜けない。入試直前の1月以降に頑張っても内申点には間に合わないことに注意しよう。
9教科の内訳
| 区分 | 教科 | 満点(中2) | 満点(中3) |
|---|---|---|---|
| 主要5教科 | 国語・数学・社会・理科・英語 | 25点 | 50点 |
| 実技4教科 | 音楽・美術・保健体育・技術家庭 | 20点 | 40点 |
| 合計 | 9教科 | 45点 | 90点 |
実技教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)も主要教科と同じ5段階評定で評価され、内申点に含まれる。テストの点数だけでなく、授業への参加態度や実技の出来も評価されるため、実技4教科を軽視することは大きなリスクになる。
S1値・S2値の仕組み
神奈川の公立高校入試は、「第1次選考」と「第2次選考」の2段階で合否が決まる。それぞれで使われるスコアがS1値とS2値だ。
第1次選考(定員の90%)
S1値 = 内申点(A値)× a + 学力検査点(B値)× b + 特色検査点(D値)× d
内申点・学力検査・特色検査(実施校のみ)の3要素を、各高校が定めた比率で合計したものがS1値。得点の高い順に定員の90%が合格する。
各要素の換算方法
例:内申117点 ÷ 135点 × 100 = 86点
例:合計365点 ÷ 500点 × 100 = 73点
横浜翠嵐・湘南・柏陽などトップ校で実施。
第2次選考(定員の10%)
第2次選考の最大の特徴は、内申点が使われない点だ。代わりに「主体的に学習に取り組む態度」(観点別評価)が使われる。
主体的に学習に取り組む態度(C値)
中学3年生の12月の成績のみ対象。9教科それぞれの観点別評価を次のように点数化する。
- A評価 = 3点
- B評価 = 2点
- C評価 = 1点
9教科 × 最大3点 = 27点満点
中2の内申があまり良くなかった受験生も、第2次選考では内申点が評価されないため、当日の学力検査で逆転合格を狙えるチャンスがある。
内申と学力検査の比率
S1値の計算で使われる「内申:学力検査」の比率は高校ごとに異なる。比率の合計は10になるよう設定されており、大きく3タイプに分かれる。
| タイプ | 内申(a) | 学力検査(b) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 内申重視型 | 5〜7 | 3〜5 | 日頃の成績が合否に直結しやすい |
| バランス型 | 4 | 6 | 最も多いスタンダードな設定 |
| 学力重視型 | 2〜3 | 7〜8 | 入試当日の点数勝負になりやすい |
例えば横浜翠嵐は「内申2:学力6:特色検査2」と学力・特色検査重視。一方で内申7:学力3などの設定をとる高校では、日頃の積み重ねがそのまま有利に働く。志望校を選ぶ際は必ず各高校の選考基準を確認しよう。
傾斜配点(重点化)とは
一部の高校では、特定の教科の内申点や学力検査の点数を通常より大きく評価する「傾斜配点(重点化)」が行われる。
傾斜配点のルール
- 内申点:3教科以内、各2倍以内の範囲で重点化可能
- 学力検査:2教科以内、各2倍以内の範囲で重点化可能
- 設定するかどうか・どの教科かは各高校が独自に決める
傾斜配点の具体例としては、横須賀高校が英語・国語・数学の内申を2倍、横浜サイエンスフロンティアが英語・数学・理科の内申と数学・理科の学力検査を2倍にして計算している。こうした高校では、得意教科を持つ受験生が有利になる設計になっている。
内申点を上げるための対策
内申点は定期テストの点数だけでなく、授業態度・提出物・実技の取り組みも総合的に評価される。以下の3点を意識することが内申点アップの基本だ。
主要5教科はもちろん、実技4教科のペーパーテストも手を抜かないことが重要。
ノート・ワーク・レポートなどの提出物は観点別評価に直結する。内容の丁寧さも評価される。
音楽・美術・保健体育・技術家庭は実技そのものの出来に加え、参加への積極性も評価される。
中2の成績は年間を通じて積み上げるもの。2学期から急に頑張っても前期の評定は変わらない。
まとめ
この記事で押さえたいポイント
- 神奈川の内申点は中2・中3の9教科が対象。中1は使われない
- 計算式は「中2評定合計×1 + 中3評定合計×2 = 135点満点」
- 中3の成績は2倍計算のため、中2より大きく合否に影響する
- 中3の内申は12月(2学期末・後期中間)までで確定する
- 第1次選考(定員の90%)はS1値(内申+学力検査)で決まる
- 第2次選考(定員の10%)は内申不使用・「主体的な態度」+学力検査で決まる
- 内申と学力検査の比率・傾斜配点は高校ごとに異なるため必ず確認する
- 実技4教科も評定に含まれるため、軽視しないことが重要
神奈川の内申点は計算式がシンプルな一方で、高校ごとの比率・傾斜配点の違いによって戦略が大きく変わる。まずは自分の内申点を正確に把握し、志望校の選考基準と照らし合わせながら受験対策を進めよう。
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