内申点の平均は何点?
内申点とは、中学校の9教科(国語・数学・英語・理科・社会・音楽・美術・保健体育・技術家庭)それぞれに5段階評定をつけ、その合計点数のことです。満点は9教科 × 5点 = 45点です。
内申点の平均(目安)
東京都の公式データ(令和5年度)では評定の平均が約3.31であり、9教科合算すると約29.8〜30点になります。
千葉県では評定平均が約3.59、愛知県・岐阜県では約3.14〜3.16と、都道府県によって平均は変わります。
文部科学省による全国統一の内申点平均は公表されていません。各都道府県・各学校の実態に基づく目安として参考にしてください。
つまり、「内申点がオール3(合計27点)なら平均的」という感覚は正確ではありません。平均は27点より高い30〜33点あたりに分布しています。
オール3が平均以下になる理由
そもそも、5段階評価の「3」は真ん中のはず。なのになぜ平均以下になるのでしょうか。その答えは「相対評価」から「絶対評価」への転換にあります。
昔の「相対評価」では、オール3=平均だった
2001年度以前の中学校は「相対評価」を採用していました。相対評価とは、成績上位から7%を「5」、24%を「4」、38%を「3」……と、あらかじめ割合を決めてクラス全体を序列化する方法です。この方法では「3」が最も多い評定となるため、オール3は文字通り「平均」でした。
現在の「絶対評価」では、5や4が増えた
2002年度以降は絶対評価(目標準拠評価)が導入されました。絶対評価は「学習目標に対してどれだけ到達できたか」で評価するため、クラス全員が高い到達度であれば全員に「5」をつけることも理論上可能です。
その結果、相対評価の時代と比べて「5」の割合が大幅に増加し、「1」「2」の割合が大きく減少しました。分布が上にシフトしたため、平均点もオール3を上回るようになっています。
絶対評価への移行で何が変わったか
| 評定 | 相対評価(旧)の割合 | 絶対評価(現在)の傾向 |
|---|---|---|
| 5 | 約7% | 増加(15〜20%程度) |
| 4 | 約24% | やや増加 |
| 3 | 約38% | 横ばい〜やや増加 |
| 2 | 約24% | 大幅に減少 |
| 1 | 約7% | 大幅に減少 |
現在は約8割の生徒が「3以上」の評定を取っており、評定の平均は3.2〜3.3程度に上昇しています。
評定の分布データ(東京都公式)
東京都教育委員会は毎年、都内公立中学校3年生の評定状況を公式調査・公表しています。この公式データから実態を確認してみましょう。
東京都の評定平均(令和5年度・中学3年生)
教科別の評定平均(東京都・令和5年度調査)
| 教科 | 評定平均(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 音楽 | 3.35 | 実技教科は高め |
| 美術 | 3.37 | 実技教科は高め |
| 数学 | 3.26 | 5教科は低め |
| 英語 | 3.27 | 5教科は低め |
| 9教科平均 | 3.31 | オール3(3.00)を上回る |
評定平均が3.31ということは、9教科の合計では約29.8点となります。オール3の27点と比べると、約3点高いことがわかります。また、実技教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)は5教科より評定平均が高い傾向にあり、これは実技教科の授業や提出物での加点が影響していると考えられます。
なお、東京都より評定平均が高い千葉県(約3.59)もあれば、低い愛知県・岐阜県(約3.14〜3.16)もあり、地域によって差があります。自分の地域の傾向を把握することも大切です。
学年別・点数帯別の目安
内申点は「どの学年の成績を使うか」によっても意味が変わります。都道府県によって中1〜中3すべてを使う地域もあれば、中3のみを使う地域もあるためです。ここでは45点満点を基準に、点数帯ごとの位置づけをまとめます。
40点以上(評定平均4.4〜)
学年でもトップクラス。地域の公立トップ校や難関私立の推薦・併願優遇基準を満たしやすい水準。
36点(オール4)
「内申点が高い」といえるライン。上位15〜37%の位置。偏差値55〜60程度の高校も視野に入る。
30〜33点(平均帯)
全体の平均的な位置。4と3が混在しているイメージ。偏差値50前後の高校が中心の選択肢。
27点(オール3)
平均以下。偏差値換算40〜45程度。高校受験では内申点の不足を当日の学力検査で補う戦略が必要。
都道府県別:内申点の換算方法に注意
同じ「オール3・27点」でも、受験する都道府県によって扱いが大きく異なります。
主要都県の内申点の扱い(参考)
都立高校入試では「換算内申」として5教科を1倍・実技4教科を2倍に換算した65点満点で評価。
調査書(内申点)・学力検査・面接をそれぞれ4:4:2の比率で評価する県立高校が多い。
各高校が独自のK値(原則1、範囲0.5〜2)を設定し、点数を重みづけする。
オール3の偏差値は?
オール3(合計27点)を偏差値に換算すると、おおよそ偏差値40〜45に相当します。全国平均が偏差値50なので、オール3は平均を下回る水準です。
ただし、偏差値との対応はあくまで目安です。内申点の偏差値は公式に算出されるものではなく、受験する都道府県の採点比率や当日の学力検査の結果によって合否は大きく変わります。
内申点と偏差値の目安対応表
| 内申点(45点満点) | 評定の目安 | 偏差値の目安 |
|---|---|---|
| 40〜45点 | オール4強〜オール5 | 65〜75前後 |
| 36点 | オール4 | 55〜60前後 |
| 30〜33点 | 4と3が混在 | 50前後 |
| 27点 | オール3 | 40〜45前後 |
| 27点未満 | 2が複数ある | 40未満 |
※上記は一般的な傾向の目安であり、模試や地域によって異なります。
オール3でも、学力検査の配点比率が高い高校(都立高校の多くは内申3:学力7など)を選べば、当日点で十分に挽回できる可能性があります。内申点が低くても学習意欲を失わないことが重要です。
平均を超えるための3つのポイント
現在の評定平均が3.2〜3.3であることを踏まえると、「平均を超える」ためには評定平均を3.4〜3.5程度(内申点30点台半ば)まで引き上げることが一つの目標になります。
① 観点別評価の「主体的」をきっちり押さえる
現在の絶対評価では、各教科の評定は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で構成されています。定期テストは主に前2つに対応しますが、「主体的」の観点はノート・提出物・授業態度で評価されます。
テストで70〜75点台の得点であっても、ノートをしっかり書き、授業で積極的に手を挙げ、提出物を期限内に丁寧に出すことで「3」から「4」に上がるケースは非常に多いです。この観点を軽視しないことが評定アップの近道です。
② 実技4教科で高評定を狙う
音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科は、5教科と比べてテスト回数が少ないぶん、授業中の発表・提出作品・実技パフォーマンスが大きなウエートを占めます。また前述の通り、東京都のデータでは実技教科の評定平均のほうが高い傾向にあります。
実技が得意でなくても、テスト対策(実技教科にも筆記テストがある)と授業への積極参加を意識するだけで、評定「4」を取ることは十分に可能です。
③ 中1・中2の内申点も軽視しない
神奈川・千葉など中1〜中3の内申点をすべて使う都道府県では、中1の成績から高校受験に直結します。「中3になってから頑張ればいい」という考え方は通用しない地域が多くあります。
自分が受験する都道府県の「いつの内申点を使うか」のルールを早めに確認し、必要な学年から対策を始めることが重要です。
まとめ
この記事で押さえたいポイント
- 内申点の平均は45点満点中30〜33点程度(評定平均3.2〜3.3)
- オール3(27点)は実は平均以下であり、偏差値換算で40〜45程度
- 2002年に絶対評価へ移行したことで「5」が増え、分布が上にシフトしたことが原因
- 評定平均は実技教科のほうが5教科より高い傾向がある
- 平均(30点台)を超えるには「主体的」観点・実技教科・早期スタートの3点がカギ
- 都道府県ごとに使う学年・換算方法が異なるため、志望地域のルールを早めに把握する
- 内申点が低くても学力検査の比率が高い高校を選べば当日点で挽回できる場合がある
内申点の平均は「オール3より高い」という事実を知っておくだけで、受験戦略が変わります。まずは自分の現在地を正確に把握し、あと何点・どの教科で伸ばすかを考えてみましょう。
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